鉢植えに挑戦

鉢植え栽培のポイント

アボカドは、鉢植えにして室内で越冬させれば、雪の降るような寒冷地でも栽培が可能なんですよ。ただ、霜にあたってしまうと越冬できないので、0℃以下にならないような工夫が必要です。夏になったら屋外に移動し水遣りをしっかりしましょう。ちなみに、ここ埼玉県南部では、滅多に雪が降ることがないので1年中屋外で育てています。霜が降りることはありますが、早朝の数時間なので大丈夫なんでしょうね?

鉢植え栽培で結実性を上げるためには開花型の異なる品種(A、Bタイプ)をそれぞれ別々の鉢に植え付け、交互に並べると良いです。

Aタイプ」は、午前中に開花してまず雌ずいが受精状態に入り、午後にいったん花弁を閉じ、翌日の午後に再び開花して雄ずいから花粉が放出されます。「Bタイプ」は、午後に開花して同様に雌ずいが受精状態に入り、夕方に花弁を閉じて翌朝再び開花して雄ずいから花粉が放出されます。

さらに結実性を上げたい場合は、1本の樹に枝ごとにいろいろな品種を接ぎ木したカクテルツリーを作ると良いでしょう。「フェルテ」などの耐寒性に強い実生苗を台木とし、50cm程度で切り返します。側枝を3本ほど発生させ、基部から10cmのところで切り返し、好みの品種を接ぎ木します。



適した鉢のサイズと栽培用土

アボカド栽培の基本である、水もちが良く排水性の良い土壌を目指し、鉢の底には大きな穴をできるだけたくさんあけ、排水を良くする必要があります。鉢底10cmくらいに大粒のパーライトを敷き、この上に赤土を栽培用土して入れて植え付けます。用土は酸性(pH5.0〜6.5)とし、アルカリ土壌にならないように注意します。この用土4に対して小粒のパーライトを1、バーク堆肥を1の割合で混合し石灰などを少々加えて良く混ぜます。

最初の数年間は40L容量の鉢で栽培し、最終的には80L容量くらいの大きさの鉢に植え替えると十分だと思われます。私の場合、一番大きな苗でも8号サイズの鉢なので、一般家庭では樽のような大きさの鉢での栽培は不可能でしょう。小さな鉢でどこまで育てられるか?よしんば結実させることができれば本望です。



鉢植え栽培での心がけ

幼木期は、新梢が発生したら先端を摘心し側枝数を増やすことに専念します。目標は、縦2m、横2mくらいのコンパクトな大きさに収まるようにしましょう ...って思いつきで始まった実生栽培にしては大きすぎます。1m以内の高さでカクテルツリーができると嬉しいです。

鉢植え栽培では土壌が常に適度な湿り気を保持できるように努めないといけません。夏場は自動かん水機も必要です。砂土の場合、水は横に広がりにくく、すぐに流れ出してしまうのでこまめにかん水します。逆に粘土質の場合、ゆっくり浸透して横方向にも広がっていくので、ゆっくりかん水するとよいでしょう。

アボカドに適した肥料は、緩効性化成肥料や油かすのような有機肥料です。葉の先端部分が茶色く枯れる場合は、肥料が多すぎることが考えられます。このようなときは、かん水時間を長くして余分な肥料を洗い流して下さい。葉の先端部分に葉焼けをおこしていたら施肥過剰かん水不足です。

成木期は着果率を上げるように努めます。前述のように「Aタイプ」と「Bタイプ」の品種を組み合わせて、早い段階で着果させるようにします。開花期間には17℃を下回らないように気を付けましょう。あとは樹が衰弱しないようにひたすら水遣りをします。鉢植え栽培では、ただひたすら水遣りが重要なんですね。もちろん排水性も良くしておかないといけません。