アボカドについて

アボカドの系統と品種

アボカドの原産地は、メキシコ東部から中部にかけての高地からグアテマラ、さらに中央アメリカの太平洋岸にかけてと言われています。名前は、メキシコ南部から中米地方の先住民の言葉Ahuacatl をスペイン人がAguacate と聞き取り、それが変化しAvocado となりました。英語では、果皮がワニの皮のようにごつごつしていることから、アリゲーター・ペアー(ワニ梨)と呼ばれるようになったとの説もあります。

アボカドは地理学的に大きく分けて「メキシコ系」「グアテマラ系」「西インド諸島系」の3つに分類されます。

グアテマラ系や西インド諸島系のアボカドは樹勢力が強く、放っておくと樹高30メートルにもなり、メキシコ系でも15メートルほどになります。接ぎ木にすれば、このような高木にならないようですが、台木の種類や環境により左右され10メートル以上になることもあるようです。

樹形は品種により異なり、「ベーコン」「エドラノール」「リード」は直立性、「ハス」は球形、「フェルテ」は開張性です。利便性を考えると「ハス」や「フェルテ」が栽培しやすいですが、直立性の品種も新梢を摘芯することにより開張性に整枝することができます。

アボカドの葉は、大きくきれいな緑色をしていますが、寿命は短く10〜12ヵ月です。アボカドの栽培を始めたばかりの頃はよく枯れてしまうなぁと思っていましたが、その都度取り除いていて正解だったみたいです。

日本のスーパーでよくみるアボカドは、メキシコ産の「ハス」という品種で、果皮はごつごつしたワニ梨と言われるものです。「ハス」は豊産性という特徴と、この果皮の厚さゆえの輸送性の良さから国内に多く輸入されています。逆に、「ベーコン」「フェルテ」などの品種は果皮が薄くて病におかされやすいことから輸送性が悪いと評価されています。